映画『テラフォーマーズ』【レビュー】

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※ネタバレ注意

『テラフォーマーズ』っていう映画がね、気になってまして。
あまりに評判悪すぎて。

テラフォーマーズ -
テラフォーマーズ –

ネットでは、「映画館に観に行ったらお客さん全然いなくて初めての貸し切り状態!」って報告もあったほど。続編中止になったと言われているくらいには大コケしたみたいですが。

あまりに評判悪すぎると、「逆に観たい!」っていう気になるじゃない?

元々原作の漫画も読んでいたので、実写化されるとなると気にはなるわけで…。

というわけでDVD借りて観てみました!

感想としては、「あ、こりゃコケるわ」と思いました。
一言で言うと、ツッコミ所満載の映画でした。

ストーリーは、火星地球化計画として、火星の温度をあげるために、コケと、過酷な状況でも生きていけるゴキブリを火星に放つのだけど、このゴキブリが火星でヒト型に超進化しちゃってしかもヒトに襲いかかってくるもんだから、人類がゴキブリ(ヒト型)と戦うっていう。そんな話。

このヒト型ゴキブリを”テラフォーマー”って作中ではよんでるんですけど、テラフォーマーやばい気持ち悪いし、やばい強い。恐ろしい。
「ゴキブリをヒトの大きさにしたらこんなやばい生物なのかよ…」って愕然とする。

で、どうやっても勝てないのよ。普通のヒトは。テラフォーマーには。

だから火星に送られた乗組員たち(伊藤英明 他)は、「バグズ手術」っていう対テラフォーマー用の手術を受けさせられて、昆虫の力をもってテラフォーマーと戦うの。「虫をもって虫を制す」的な。

一番の問題は、そのことを乗組員たち自身が知らなかった、てことね。

「成功率の低い特別な手術を施された」ってことは皆知ってるけど、火星にやばいゴキブリがいることも、そのゴキブリと戦うための手術ってことは知らないの。火星で作業するために必要な手術ってことしか聞かされてないの。

もうこの時点で意味わかんない。

なんで秘密にする必要が?

サプライズ☆な火星旅行じゃないんだから。サプライズすぎて、まともに戦うことなく初っ端で数人死んだからね。
ちゃんと目的を伝えてちゃんと訓練して火星連れてけよ!!

いきなり「この注射を打てば昆虫の力が使えるようになる!」とか言われても、何の昆虫のどんな力なのかさっぱりわからんし、私だったら途方にくれるしかない。せめて説明書ほしい。

最近のスマホって紙媒体での説明書がなくて、スマホ自体に説明書アプリが入ってたり、iPhoneにいたっては「てめェでググれ」的な鬼畜っぷりですが、それよりひどい。
能力の使い方の説明もなく、即実戦。「習うより慣れろ」にも程がある。

火星に到着するまでに40日ほど日数がかかってですね、山Pと伊藤英明が意味なくボクシングをしたりしてるのですが、この40日の間に自分の能力の把握と戦い方のトレーニングしとけよ!と。ボクシングなんてやってる暇ないよ!と。もう観てた人全員総ツッコミだったと思う。

宇宙船から火星に降り立って、火星散策する時に手ぶらで行くのも意味わからない。

「ただのゴキブリ退治」って思ってたにしても、虫のゴキブリ相手でも道具必要でしょ!

かなり最初の方で菊地凛子が死ぬのですが、実は生きてて、本当の目的だった「テラフォーマーの卵」をゲットしてくるんです。

原作では、乗組員は全員日本人じゃなくて、いろんな国の人がいて、それぞれの国の思惑とか腹の探り合いがあって、「テラフォーマーの卵ゲット」もある国が秘密裏にやることなんだけど、映画では全員日本人で、この宇宙船も日本が飛ばしているわけだから、卵ゲットの目的も秘密にする必要ないのでは…?
もう最初から「やばいゴキブリがいる!そいつらの卵を持ち帰ってきて!」でよかったのでは?

皆日本人って設定なのに、なぜかちょいちょい英語をはさんでくる山P。なぜかは知らない。

日本人なのに、名前が「リー」なケイン・コスギ。劇中でも「日本人だが何故だかリーっていう」って言われちゃったケイン・コスギ。「いやほんとだよ」てしかならない。

自分の論文を横取りされてしまった過去を持つ山田孝之。
その横取りのされ方が、女が「研究室で山田孝之に襲われて妊娠してる」って嘘ついて、その担当教授?みたいな人に「このことは黙っててやるからお前の論文は私のものとして発表する」みたいなこと言われてっていうわけわからん流れになり。

いやさ、この世界って現在から約600年後の日本なのよ、舞台が。本当に妊娠してるかどうかは知らないけど、仮に妊娠してたら、「簡易羊水検査セット」的なものが絶対あるはずでしょ。600年も経ってたらさ。即DNA鑑定しろよ!!そして名誉棄損で訴えてやれ!!

もうすごいよ、ツッコミ所多すぎて。細かいとこ気にしたらもっといっぱいある。

一番「!?」ってなったところは、最後に山田孝之が銃でテラフォーマーを倒したとこ。
え、ケイン・コスギがゴミムシになって火炎放射器並の火力で攻撃しても死ななかったテラフォーマーが銃で倒れる…だと…!?ってなったよね。

銃で倒せるならこんな大変なバグズ手術を受ける必要ないし、マシンガンとか重火器持っていった方がよっぽど役に立つし、っていうかもう自衛隊連れてけよ…ってなるよね。

今まで死んだ仲間たちって一体?って気にさせる銃のシーン。
「最後の問題正解したら1000点!」つって、今までの正解は一体?って流れと同じ気持ち。

もし、もしも原作を読んでない状態でこの映画を観ようとしている方がいましたら、止めはしませんが、一緒に『テラフォーマーズ1巻』を借りることをおススメします。
今回の映画は単行本でいう1巻の部分の話ですから。未読のまま観るとより「???」てなると思いますので。原作読んだ私でも「?」状態でしたから。

原作1巻読んでから観るもよし、映画観てから原作読むもよし。

もしも原作読んだ方でこの映画を観ようとしている方がいましたら、止めはしませんが、ご友人など複数人で観ることをおススメします。
ツッコミ所ありすぎて、観て後にツッコミ点について誰かと語り合いたくなるからです。

これは心の底から「映画館行かなくてよかったー」って思った映画です。
これで1800円払ってたら笑い話じゃ済まなかった。「お金か時間どっちかでいいから返してくれ!」ってなってた。

あ、主題歌が三代目JSBなんです。私三代目JSBファンなんですけど、この曲全然知りませんでした。

映画ヒットしなかったら曲もヒットしないのか…
そんな感じの映画。

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