失恋未遂/作画:高宮ニカ 原作:イアム/双葉社
「最低な男!」転職先の上司の印象は最悪だった、でも…。ショートカットの菜乃花にむかって「サル」とつぶやいた羽島課長。仕事は出来るが私は知っているサイテーな男だと。昔の恋の痛みから強い女をめざす彼女の心をかき乱す羽島の言葉「ねえ、忘れてない?俺のベッドの下に――」その言葉の真意とは?不器用な男女が織りなすピュアな恋と歪んだ愛の物語。
―双葉社公式サイト より引用―
登場人物 ※ネタバレ注意
三浦 菜乃花(みうら なのか)
25歳。瀬戸原商事に中途採用され、羽島課長の補佐につく。
高校時代の友人には”カナ”と呼ばれる(なのかを縮めてナカ。呼ばれてるうちにカナになった)。
羽島 達樹(はしま たつき)
28歳。住空間部営業2課課長。
菜乃花の10年前の元カレ。
南条 実篤(なんじょう さねあつ)
27歳。長身、黒髪短髪のイケメン。クール。
2課のエース。
小宮 静佳(こみや しずか)
32歳。独身。腐女子。
南条の補佐で、南条の事が好き。
ふくよかで、優しい性格の女性。
古賀(こが)
25歳。課のお調子者。
カッチン
菜乃花の高校からの女友達。
ヤゴ
菜乃花の高校からの男友達。
堂園 香澄(どうぞの かすみ)
羽島の中学の時からの幼なじみで、羽島の彼女だと誤解された人。
羽島の兄の妻。
ストーリーまとめ ※ネタバレ注意
はじまり
中途採用の三浦 菜乃花は、営業2課の羽島課長の補佐につくことに。
自己紹介で羽島課長と顔を合わせた際、ベリーショートの菜乃花を見て「サル…」と呟き笑った課長の印象は最悪。
羽島に付いて業務をこなす日々の中、風邪で倒れた羽島を家まで届けた際、
「カナ なんで名乗らなかったの?」
と、高校時代のあだ名で呼ばれた菜乃花。
「誰の事ですか?」ととぼけると、
「だいぶ前の元カノで、やり逃げ女」と答えてから、羽島は寝入ってしまった。
別れた原因
実は羽島は、菜乃花が高校生時代に電車で一目惚れして告白した初めての彼氏で、初めてのキスをして初体験もした相手。
羽島の卒業式の日、初めて肌を重ねた二人。羽島の家から帰宅途中の菜乃花が駅で電車を待っていると、羽島の高校の友だちがその駅に集まっていて、”羽島の彼女・堂園香澄”の話をしていた。
「彼女は私なのに??」と混乱した菜乃花は、羽島の家に引き返す。
すると、丁度羽島が女の人(おそらく噂の堂園香澄)を家にあげるところだった。
そこで、羽島に「(羽島の)友だちがいる時は話かけるな」って言われてたことも、「今日でおしまい」って呟かれたことも全部納得がいった。
本命はあっち(堂園香澄)で、私は浮気相手だったんだ、と。
好きで好きで大好きだったけど、羽島に二股をかけられていたと知ってから(と思いこんだ)、菜乃花から連絡を絶って別れた。
事の真相
結論として、羽島は二股かけておらず、彼女は菜乃花だけだった。
彼女とされていた堂園香澄は何だったのかというと、実は羽島の兄の彼女。
羽島の兄は、羽島と堂園香澄が通う高校の教師。両親も公認で付き合っているが、学校にバレると問題なので、カモフラージュとして羽島と付き合っていることになっていた。
「友だちがいる時に話しかけてはいけない」というルールも、羽島の友人の間では羽島の彼女は堂園香澄となっているからであり、「今日でおしまい」という呟きも、「高校卒業したからカモフラの彼氏は終わり」という意味。
二人の結末
10年遠回りをしたが、また改めてお付き合いをすることになり、羽島は10年前に渡せなかった菜乃花へのプレゼントと、指輪を送ろうとしてるとこでエンド。
感想
いやちゃんと話せーよ!の一言に尽きる。
10年ですよ、10年。ちゃんと想い合ってる二人が、誤解ですれ違って別れて、ちゃんとやり直すまで10年!なっっっがっ!!
羽島自身も言ってたけど、ちゃんと話さなかった羽島が悪い。
「友だちといる時に話しかけるな」って言った時に、なぜなのか理由をちゃんと言えよ。
菜乃花も、その場では聞けなかったとしても、後日でもいいからちゃんと聞けよ。「どういうこと!?」って。
ってか、羽島兄と堂園香澄も勝手じゃない?自分たちのお付き合いのためにフェイクの彼氏してくれってさ。
「彼女いないからいいでしょ?」って感じだと思うけど、彼女はいなくても、羽島にもし好きな子いたらどうすんだって話よ。
男子高校生が、わざわざ兄に好きな子の話しないだろうし。特に羽島みたいなタイプは。
まーでも、やっぱり一番悪いのは、話をしなかった羽島だな。
「菜乃花は他校生だからばれないと思った」
「話したとしても、いい気分ではないだろうから話さなかった」
って言ってたけど、結局それで最悪の事態を招いてるわけですし。
あの卒業式の日に、全部事情話して、「~~だから、これからはちゃんと友だちにも紹介できるよ」とかって言っとけばさ~、別れなくてすんだじゃんね。
あと、羽島も菜乃花も、10年後再会したとき、家庭持ってなくてよかった。
これどっちかが、もしくはどっちも家庭持ってたりしたら、ほんと泥沼の恋愛劇になってたからね。
大事なことはちゃんと伝える、という教訓が得られる作品です。
最後に、高校時代の羽島視点のエピソードがあって、それを読むと「羽島もちゃんと菜乃花のこと好きだったんだな」って思う。
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