落ちて溺れて2話/伊鳴 優子(いなり ゆうこ)/デザート2021年4月号掲載
ざっくりストーリーまとめ
「恋のはじまり方」を秋音に聞く帆夏。冬馬に感じる安心感が恋なのか、春へのドキドキ感が恋なのか。「(恋とは)好きの積み重ね」という秋音の答えを聞き、帆夏は冬馬への気持ちを意識する。
ある日、日直の帆夏と春は、教師に用具室へ椅子を片づけるように指示される。用具室での作業を終えて部屋を出ようとしたところ、ドアノブが取れてしまい、2人は閉じ込められてしまう。
感想 ※ネタバレ注意
主人公・帆夏の記憶喪失について、2話目にしてあっさり情報開示がされました。
6年前、11歳の時に事故でそれまで(11年分)の記憶を失ったらしい。
前回、帆夏の家に家政婦さんがいるという情報から、家政婦がいる⇒お金持ちの家⇒身代金目的の誘拐?という連想をしたんですが、誘拐などではなく、事故による記憶喪失みたいです。
何も思い出せない帆夏を支えてくれたのが冬馬と秋音だそうで。「(冬馬と秋音のおかげで)なんとか普通の生活を取り戻した」という帆夏の独白があるので、こりゃあ帆夏にとっては、2人(冬馬と秋音)は超特別な存在だわ。
今回の回は、冬馬と春の違いが描かれています。なんの違いかって、帆夏への接し方?というか、帆夏の扱い方というか。
冬馬は、とにかくとことん帆夏を甘やかす。自身の荷物の方が多いのに、帆夏の分の荷物も持っちゃう。
春は、「できることは自分でやりたいタイプだろ?」と、荷物を分けて、帆夏ができる範囲でさせる。
どっちが正しいという話ではないんだけど、帆夏にとっては、春の接し方(接され方?)のほうがしっくりくるみたい。
春が帆夏に荷物を分けるってエピソードは、2人が日直で、教師から「パイプ椅子を用具室へ片づけてくれ」って依頼されてっていう流れ。
通常の恋愛漫画のヒーローって、こんな時、ヒロインに椅子持たせないじゃん?少なくとも、冬馬は絶対に帆夏にパイプ椅子運びなんてさせないわけよきっと。
しかし!春は帆夏にもパイプ椅子を差し出して、「持つだろ?」って言うのよ。「できることは自分でやりたいタイプかと思って」って。
通常の恋愛漫画のヒーローにはあるまじき行為。
だがしかし!私は気づいたのです。運ぶパイプ椅子は6脚。春が帆夏へ差し出したパイプ椅子は2脚。つまり、春は4脚のパイプ椅子を運ぶのよ。帆夏の倍。
私も学生時代にパイプ椅子運びやったことあるけど、あれガチャガチャして運びにくいんだよね。女子が1人で6脚持つのは結構しんどいけど、男子は1人で大体6~8脚は持ててた気がする。
春は、1人でパイプ椅子6脚運べるんだよ。運べるけど、帆夏がやりたがっているってことを知っているから、あえてさせている。だけど分ける荷物は半分じゃなくて、自分が多く持つ。「本人がやりたいって言ってるならさせたらいいんじゃない?」精神。
冬馬とはまた違う優しさ。
今回の話は、帆夏と春が用具室に閉じ込められるところで終了。
次回は、閉じ込められた部屋で帆夏と春が過去のこと話したりすんのかなー。で、重要な話のとこで冬馬が助けにきたりすんだろうなー。
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