落ちて溺れて3話/伊鳴 優子(いなり ゆうこ)/デザート2021年5月号掲載
ざっくりストーリーまとめ
用具室に閉じ込められてしまった帆夏と春。「話していれば誰か気づくはず」と言う帆夏に対し、春は「話すことなんてない」と、窓からの脱出を図る。高いところが苦手な帆夏は躊躇するが、先に窓から降りた春に「落ちてこい」と手を差し出され、春へ飛び込むように飛び降りる。
帆夏が着地した後、春は帆夏に「もう俺に近づくな」とすごみ、ちょうどそこに冬馬が駆けつけ、春は無言で立ち去っていく。帆夏は春に対して恐怖を、冬馬に対して安心を感じる。
後日、「恋は勢い!タイミングが命!(冬馬と)二人きりで勉強でもしてきて!」という秋音に言われるがまま、帆夏は冬馬の家へ。冬馬の部屋に入ろうとしたところ、部屋から出てきたのは春だった。
感想 ※ネタバレ注意
帆夏と春が閉じ込められたということで、助けが来るまでの間に2人でおしゃべりでもして、帆夏の過去に関して新情報が出てくると思っていたら、「別に話すことねーだろ」と、まさかの春のおしゃべり拒否!さっさと窓から脱出しちゃいました。
おいお前マジかと思ったけど、一応新情報はあったね。帆夏は、自身が思っている以上に高いところがダメらしい。心臓がドクドクして、全身が震えるレベルでダメ。帆夏の過去の事故の影響なんでしょうね。「高いところがダメ」が新情報。
「私高いところ苦手なの」と帆夏が春に告げた時の、一瞬何か考え込むような春の様子を見るに、やっぱり春は帆夏の過去の事故のことを知っているみたい。というか春は過去の事故にがっつり関わっていそう。ストーリー的に。
今回、帆夏が「高いところがダメ」と自覚するシーンがあって、脱出用の窓から飛び降りようとした時に脚がすくんで「たかが3メートルくらいで?」って自分で言ってるんだけど、
いや3メートルってめっちゃ高くない?全然「たかが」じゃないよ。
高さ3メートルがどれくらいなのか調べてみたら、バスケットゴールとか、マンションの2階が大体3メートルらしい。
高いよ。飛び降りるには誰でもビビるよ。
何の躊躇もなく飛び降りた春の方がおかしいから帆夏は何も気にしなくてよし!解散!!…という気持で読んでましたけども。
帆夏は、春に触れられたり春に関わった時に、“得体のしれないものが足元を崩していきそうな感覚”に襲われるそうで、その時の漫画の表現として、水の泡が描かれてるの。これ、帆夏が春に「落ちた(恋に)」っていう表現だと思ってたんだけど、違うのかもって今回の話で思ったわ。
帆夏の過去の事故が、どこか高いところから水中に落ちて溺れたっていう事故で、春に関わることでなくなった記憶(特に事故の記憶)が断片的に戻ってきてるのかも。
でもそうだとすると、タイトルの『落ちて溺れて』が帆夏の事故の状況をド直球にしめすことになっちゃうからそれはないか。
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