ミドリくんには触れない/トヨタトヨ/EKiss2021年2月号1話掲載
正直、表紙の絵があまり好きじゃなかったから読み飛ばしていたんだけど、「新連載」って書いてたから一応読んでみるか~と思って読んだら、これが思った以上に面白かった!
(おそらく)恋愛漫画で、男女が出てくるのだけど、2人の職業の組み合わせがね、あまりない。
まず男性の職業:アイドル。それも大人気の、国民的アイドルグループのリーダー。
そして女性の職業:セクシー女優。芸名「寿めろん」。
男性がアイドルっていう漫画はそんなに珍しくはないと思う。最近でいったら、『午前0時キスしに来てよ』が実写映画化もしていたしね。
女性主人公の職業がセクシー女優っていうのも、まぁ多くはないけど少なからずある。特にTL漫画とかでね。
でもアイドル×セクシー女優という組み合わせはなかなかないのでは。
アイドルとセクシー女優の出会いのきっかけとは…?ってなると思うんだけど、2人の出会いのきっかけは、アイドルがセクシー女優の住むマンションの隣の部屋に引っ越してきて、その挨拶にやって来たこと。
そこで突然、アイドルに「岬ちゃん?」って、名前呼ばれるの。セクシー女優の本名。
「え、誰?なんで私の名前知ってるの?」ってなるじゃんね?だから「どちら様?」って返したら、「小学校の頃一緒だった橘 実鳥だよ」って言われて、「え~~~実鳥くん!?」という、驚愕で懐かしの再会になるわけです。
主人公・岬の回想によると、小学生時代の実鳥くんは太っちょで服がダサくてメガネをかけていたらしく、今の実鳥くんに昔の面影はないみたい。
その再会時に、お互い今何をしているのか教えあってて、実鳥くんは「FIVE CLUBっていうグループでアイドルやってるよ」って答えて、岬は「寿めろんって名前でセクシー女優やってるんだけど知らない?」って答えるのよ。さらっと。
それを聞いた実鳥くんは固まっちゃって、「俺アイドルだから、俺に触らないで」って言い残して部屋を出て行っちゃう。
そのことにより、「セクシー女優だから汚い的なこと!?」と、岬の実鳥くんへの印象は最悪よ。
でも「性産業に就いているから岬は汚い」なんて考えは実鳥くんにはこれっぽっちもなくて、実鳥くんはちょっとうかつで抜けてるところがあるただの良い人ってことが判明。
「アイドルもセクシー女優も、やり方は違うけどどれだけ見てくれる人を興奮させられるかっていう点で似たような仕事。自分はグループでやってるけど、1人で体張ってる岬ちゃんは本当にすごい」というようなことを岬に語るわけ。
偏見なんてない、ほんとにただの良い人(しかしうかつ)。
じゃあ「触るな」はなんで?ってなるんだけど、その理由は「俺の身体に女の子が触るとファンの人たちが悲しむから」。
そんだけ。
実鳥くんが目指すアイドルは、「絶対にファンを悲しませないアイドル」。だから女の子との接触は一切しない、と。
アイドルを本気で目指してからは恋愛を一切しておらず、ゆえに「童貞」であるとさらっと告白。
この漫画でビックリするのは、ここですよ。岬にしても実鳥くんにしても、「え、そこはフツーなんか隠そうとするんじゃない?」っていうことをさらっと言っちゃう。
岬は自分がセクシー女優であるってことをさらっと言うし、実鳥くんは自分が童貞だってことをさらって言うし。
きっと2人とも、それを恥ずかしいことだとは思ってない。
実際、岬は『この仕事を恥にも誇りにも思ってない』って自分で言ってたし。
実鳥くんは、童貞だっていうことはアイドルをすることで当然起こる結果だから(目指すのはファンを悲しませないアイドル⇒自分の身体に女の子が触れるとファンが悲しむ⇒女の子には一切触れない⇒ゆえに童貞)、だから恥ずかしくないんだ。
話中、岬が「実鳥くんって性欲ないの?」って聞いた時の、「あるよ」って答えた実鳥くんの『男』の顔をぜひ観てほしい!『オス』って感じが前面に出てて非常によきです。カッコいいです。
おそらく、岬は実鳥くんのその顔を観た時に「この人が欲しい」って思ったはず。
1話の終わりは、『この綺麗な人がアイドルをしてることも忘れて私を欲しがるのが見たい』って、岬の決意の1コマ。
現役のセクシー女優が、志高い童貞の国民的アイドルをどう攻略して落とすのかが非常に気になります。見ものです。
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