デザート2021年2月号掲載の読み切り作品、6作品の感想を書いていきますよ。
デザート2021年2月号
▼掲載誌
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真冬のアイス/倉地よね
メガネで地味系女子と、隣の席のモテモテ男子との恋が始まるまでのお話。
主人公の隣の席の男子は、モテモテだけど告白を毎回ばっさり斬り捨てる白石くん。主人公は白石くんのことを冷血人間だと苦手に思っていたんだけど、白石くんが女子からの告白をばっさり斬り捨てる理由を知って、さらに少しずつ白石くんと関わるようになって、白石くんに惹かれていく…ってな感じのストーリー。
しょっぱな、白石くんが女子の告白を断るシーンがあるんだけど、「やだね だるいよ」って言って断るの。
それを教室から見ていた主人公が、”最っ低”って白石くんに「鬼畜」「冷血人間」って評価をくだして、「あんな断り方、私ならトラウマになってしまうと思います」って白石くんに言うのよ。
この白石君の断り方、そんな「最低だ!」「トラウマになる」って言われるほどひどい断り方か?
「やだねブス!」みたいな断り方だったら「おいちょっと待てそこのクソ野郎」ってなるし、トラウマにもなるだろうさ。
「やだね だるいよ」くらいだったら別にそこまでひどくないと思う。
しかも白石くんがされたこの告白、全然知らない女子から「もしかしたら好きになるかもしれないからおためしで付き合ってみない?」って言われてるからね。そりゃ「いやだるっ」てなるわ。「まずあんた誰だ」って。
たぶん、作者の方はとても優しい方なんだろう。いや嫌味じゃなく。
白石くんが告白をばっさり断るのも、「スパっと嫌われた方がいい」っていう白石くんなりの優しさ。彼も過去にイロイロあったのでしょう。
モテモテなわりに、主人公に「なんで付き合いたいって思うのか」など聞いてくるあたり、白石くんはおそらく、恋を知らないモテ男。
主人公は人並みに恋をしてきた(ただしお付き合いはしたことない)地味女子。
途中、白石くんが主人公にやたら絡んでくるシーンがかわいかったな。
最後は2人が両想いになって終わるんですが、両想いになって後の2人のこととか考えちゃうよね。
白石くんは一応、付き合ってきた人数はそこそこいそうだし、元の性格が優しいから、イベント事とかデートとかそつなくこなしそう。
主人公は初お付き合いだし、最初らへんは気持ちがわちゃわちゃしてそうだけど、白石くんのフォローやリードですぐ落ち着きを取り戻しそう。
あと、モテ男と付き合うとありがちなのが、白石くん狙いの女子たちが「あんな地味な子が白石くんの彼女ですって!?キーーッ悔しい!」っつって主人公に嫌がらせしてくる、とかね。
時々いるんだけど、「高校から付き合ってて交際歴10年以上でついに結婚」っていうカップル。そんなレアなカップルに、2人にはなってほしい。
こいで、こがれて/卯月ココ
第48回デザート新人賞まんが大賞の佳作受賞作。イケメンで鈍感なバイト先の先輩に、主人公が一生懸命アピールする話。
主人公は、バイト先(カラオケ店)で一緒に働いているイケメン・江國先輩が好き。
主人公の家付近で不審者が出たというニュースがあり、バイトが終わると江國先輩が毎回家まで送ってくれるということに。
通っている高校が違うため、2人のやり取りは主にこの帰り道やバイト中。
同じ学校の彼に恋♡というパターンに比べると好きな人との接触は少なそうだけど、主人公が江國先輩に惹かれる理由はちゃんとわかる。
江國先輩、天然タラシです。ほんとにめっちゃいい人。きっといい親御さんに育てられたんでしょう。
作中見られた行動を天然ではなく、計算してやっているとしたらとんでもない人たらし込み野郎です。
「不審者が出たから家まで送る」という展開、なんらかの事情で江國先輩が主人公を送れなくなったときに、主人公が不審者に襲われてピンチに!って流れの伏線かなと思ったけど全然そんなことはなく。
江國先輩が主人公を送れない、って状況はたしかにあったんだけど、道中突然現れたのは不審者ではなく江國先輩。
「こんな暗い中一人で歩いて帰ったら 寂しいし怖いかなって考えだしたら心配なってきて…だから来た」
っつって。
いやめっちゃいい人!!!
江國先輩、すごいいい人なんだけど、恋愛面に関してすごく鈍感な人として描かれています。よって、主人公の必死のアピールもまったく効果なし(気づいてもらえない)。
プルーストの香り/しだらちより
10年越しの君へ/空垣れいだ
アイジャストラブユー!/ミツオカ
そしてとりどり/鈴山もり
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