前回までのお話
獣尋の儀をクリアし無罪となった玲琳(体は慧月)だが、騒ぎを起こした張本人として、朱貴妃から事実上の追放を受け、元食糧庫というボロ屋に室替えされる。
周囲の思いとは裏腹に、「こんな素敵な場所で暮らしていいのですか!?」とヒャッハー状態の玲琳(体は慧月)。
一方、「あんたの世話なんてしない」と玲琳(体は慧月)の元を立ち去った朱家女官・莉莉は、金家の上級女官から「朱 慧月をいたぶれ」と指示され……
前回は莉莉が金家の上級女官に「金家の中級女官にしてあげるから、朱 慧月をいたぶってくれない?」と持ちかけられるところで終わり。
莉莉は引き受けちゃうのか!?気になる続き4話のネタバレ含む感想です。
✔ 4話の見どころ(読みどころ)
・玲琳(体は慧月)の鋼メンタル発揮と莉莉のツッコミ
・慧月(体は玲琳)の過去と思惑
玲琳の家である黄家の女官が「慧月をいたぶれ」と言うならわかるけど、なんで関係ない金家の女官が言ってくるのか?と疑問だったんですが、ちゃんと理由がありました。
「玲琳が好きだから玲琳を傷つけた慧月許せん!やっちまいな!」などという感情論などではございません。政治的というか、家と家との攻防というか。計算高く、色々考えてるのね~という印象。
また、慧月の不幸な過去話と、慧月も色々計画を考えて今回の体入れ替え作戦を実行したのね~と思わせるエピソードあり。
いや慧月あたまいいな!性格悪くなけりゃあ普通にそこそこいい暮らしできたんじゃない!?
ってなったわ。
あと、玲琳(体は慧月)は鋼メンタル通常運転。そしてツッコミと化した莉莉。
前置きはこの辺にして、早速4話ネタバレ感想いってみよう!
ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~4話ネタバレ/コミック:尾羊英 原作:中村颯希
「慧月をいたぶれ」という金家女官の真意とは?
結論から言うと、朱 慧月を弾圧して金家が玲琳派であると演出するため。
玲琳は殿下の寵愛をもっとも受けていて、玲琳を超えようとしてもムダ。金家に言わせると、「慧月のように妬んで玲琳を害そうとすることは下策中の下策」であり、「真に殿下の寵を得たいなら、あえて玲琳様に忠誠を誓えばいい」とのこと。
要は、一番の座は玲琳に決まっていてこれを覆すことはできないから、二番目の座を狙う計算らしい。
そしてなぜ「慧月をいたぶる」役目を莉莉に頼むのかというと、他家の人間は朱駒宮(朱家の宮)に入れないうえ、雛宮は七日間忌祓いで立ち入り禁止になっているから、慧月の弾圧は朱家にしかできないため。
「朱家にしかできない慧月の弾圧が金家の掌の上でのことだった」と明らかになったとき、朱家と出遅れた他家はどれほど悔しがるか…と笑う金家の上級女官は、雅容と名乗った。
雅容が莉莉に出した取引条件は以下。
・7日後、白鼠色の衣をあげる(=金家の中級女官にしてあげる)。
玲琳(体は慧月)の鋼メンタル発揮と莉莉のツッコミ
金家と莉莉との不穏な取引というシリアスなシーンから一転、玲琳(体は慧月)のシーンになると途端にコメディ。
今回も、我らがメンタル様は鋼メンタルを存分に発揮されています。それはもう、莉莉が思わず「その逞しい発想なんなの!?」とツッコんでしまうほど。
雅容から精米を手に入れた莉莉は、「草と虫に囲まれて泣いているであろうあの女(=慧月)の目の前でメシを食べてやろう。今まで受けた屈辱の分、吼え面かかせてやる!」と意気込んで玲琳(体は慧月)の元へ。
しかし莉莉の目に入ったのは、キレイに整備され耕され立派な畑になった庭園と、泥だらけで「ちょうど芋を揚げ終えたのでいただきましょう!」とニコニコ顔の玲琳(体は慧月)。
目が点になって立ち尽くす莉莉。
玲琳(体は慧月)はそんな莉莉をグイグイとボロ屋に招き入れ、莉莉の口に「あーん」と揚げたての芋揚げを突っ込み、自身も芋揚げを口にし恍惚の表情。
そこで飛び出した、莉莉もドン引きした我らがメンタル様の一言がこちら。
「わたくし芋揚げを飲める!」
玲琳は「これでもかというほど塩と油にまみれた料理を、胸やけも気にせず思う様 頬張るのが夢」だったようで、芋揚げをひょいひょい食べながら「油の匂いを嗅ぎ続けても倒れないなんて!いくらでも食べられるいいえ飲める!」と感激の様子。
その様子を見た莉莉は、「あたし…この女を絶望させることなんてできるの…?」とドン引き&絶望の表情。
慧月(体は玲琳)の過去と思惑
シーンは変わり、久々に登場、玲琳になりかわった悪女・慧月。
慧月がいかにしてこの雛宮に入ってきたのか、不幸な過去が語られる。
シリアスなシーンかと思いきや、直接登場はしないものの、玲琳の影響でギャグタッチになっていく。さすがメンタル様、影響力がハンパない。
慧月曰く、「朱家末席の惨めな母」と「道士崩れの父」は、一年前に借金を重ねて自殺。「ちょっと道術ができるだけの田舎娘」だった慧月は本家の侍女になったが、そんな慧月を憐れみ、手を差し伸べたのが朱貴妃である朱 雅媚様。
“その慈愛深さから貴妃の座(皇后に次ぐ地位)を与えられたほどの尊いお方”の朱貴妃を後見人として、慧月は雛宮に入ることに。
しかし元々身分の高い生まれではなく、教養も十分に身についているわけでもなかったため、雛宮に入ってから「字は読めるの?」など周りに散々バカにされてきた。貴妃様は優しいけれど、いじめを諫めることはできずうろたえるばかり。
そんな中、黄 玲琳だけは慧月を笑わなかった。
だからこそ憎い!
玲琳への羨望が妬みに、妬みが憎しみに変わった慧月は、いろいろこじらせちゃって玲琳を「反吐が出る」ほど相当に憎んでいる。
自分にはないものを全て持っていてもはや憎しみの対象である玲琳と、”慧月”へは常に冷ややかでそっけなかった殿下、2人への復讐(?)が、玲琳の体で殿下に抱かれること。
慧月は、殿下が玲琳を大切に思うあまり「抱きたいけど手が出せない」状態であることを見抜いている。ほんのちょっとの誘惑で、殿下は玲琳を抱くだろうということも。
知らぬ間に体を暴かれた玲琳はどれだけ絶望するかしら。」
「楽しい日々になりそう」とほくそ笑んでいるところへ、筆頭女官の冬雪が「玲琳様」と声をかけた。冬雪の後ろには、様々な物品を持った女官たちが控えている。
それを見舞いの品々と思い感謝する慧月(体は玲琳)だが、物品は見舞いの品ではなく、玲琳の鍛錬のための道具たちだった。
「今宵はどれになさいましょう」と聞いてくる冬雪に、『病人になにを言ってるの?』と焦る慧月(体は玲琳)。まさに「ちょっと何言ってるのかわかんない」状態。
冬雪が語る、過去の玲琳の名言。
“熱で朦朧としてこそ限界の向こう側に踏み出せる”そうで、体調が悪くても、いや、体調が悪いときこそ玲琳は体の鍛錬を行っていたそうで。
衝撃でかたまる慧月(体は玲琳)。
とりあえず鍛錬は回避しようと、「吐き気がするし熱もこれまでにない高さ」と言ってみるも、「まあ!これまでにない高みに昇れそうでございますね。盥をお持ちしましょう」と返される始末。
そこで慧月(体は玲琳)は、黄家が玲琳を大事にする理由として、一つの答えを導き出す。
そして抱く一抹の不安。
「わたくし…この体でやっていける わよね…?」
感想
今回語りたいのは以下三点!
✓朱貴妃、ほんとに慈愛深いだけの女か…?
✓慧月ザマァww…もはやちょっと気の毒
金家の上級女官に「慧月をいたぶる」取引をもちかけられたとき、莉莉は慧月のこと大嫌いなはずなのに、すぐに取引に飛びつくことはしなかったことから、人間としての基本的な部分がちゃんとしている子なんだなと思ったよ。
飛びつくどころか、「行き過ぎた制裁は鷲官(後宮の風紀を取り締まる役人)様に咎められるのでは」と進言しているし。
基本、悪いことはしないというかできない、良い子なんだと思う。
今回4話の最後のページで、お母さんの夢みて泣いてたことからも、お母さんには愛されて育ったんだろうな。そして莉莉も、お母さんのことが大好きだったんだろうな。
玲琳もそうなんだけど、莉莉も絶対に幸せになってほしいキャラ。
そして朱貴妃。
この人、「慈愛深くて優しいが、気が弱くて宮中でいじめがあってもうろたえ、諫めない」と評されているけど、ほんとにそんな人間だろうか…?
慧月へ手を差し伸べたというのも、憐れみだけじゃなく、慧月が多少なりとも道術を使えるってことを知って、雛女にしたんじゃない?
朱貴妃、なんか裏がありそうで怖い。
最後は慧月について。
いやもう今回は慧月ザマァwwwの回だったけど、でもちょっとだけ気の毒でもあったかな…。
熱が出て体しんどい中、「さぁ鍛錬の時間です」って言われたらそりゃ「お前は何を言ってるんだ」ってなるわなw
玲琳と体が入れ替わってからずっと床に臥せっているみたいだから、健康な体と自由を手に入れて生き生きしている玲琳と比べるとなんか不憫…。
今回の鍛錬はなんとか切り抜けたけど、毎回切り抜けられるわけもなかろうし、体しんどい時に鍛錬してよりしんどくなって、かつ体調が良い日はほぼないってもう地獄じゃない?
慧月の方から「体元に戻して!!!」って懇願しそう。
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