ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~3話/コミック:尾羊英 原作:中村颯希
2話にて、無事”獣尋の儀“をクリアして無罪となった玲琳(体は慧月)。「これからどうしましょう」と考えているところへ、「慧月様」と声をかけたのは玲琳(体は慧月)を睨みつける朱家の女官。
女官曰く、慧月の後見である貴妃の命令で、玲琳(体は慧月)の室替えをすることになったとのこと。獣尋の儀で無罪にはなったけども、こんな騒ぎを起こした者を今までと同じ待遇ではいさせられない、と。
玲琳や慧月などの雛女たちは各妃の宮に一室を与えられているってことだったので、妃に室替えって言われたら拒否はできなさそう。
女官は位が上がるほど濃い色の衣を身にまとうらしい。玲琳(体は慧月)に声をかけた女官の衣装が洗朱色(←こんな色)だったもんだから、玲琳(体は慧月)は下級女官だと思って「ええとあなたの名は…」って軽く聞いちゃうんだよね。
そしたら
「莉莉でございます。…この一年歯を食いしばってお側でお仕えしてまいりましたが、あなた様にはその程度の認識でございましょうね」
って言われて背中を向けられちゃう。
下級女官ではなく、まさかの側仕えの女官でした。やっちまった玲琳(体は慧月)。
いやちょっと待って名前を覚えていなかったことに対して疑問を持って!と、莉莉の背中に手を伸ばす玲琳(体は慧月)ですが、莉莉を振り向かせたところで、慧月の術によって入れ替わりについては話せないのでお詰み状態。
とりあえず、朱貴妃様(慧月の後見の妃)に事情の説明を!と、朱貴妃の宮へ向かう玲琳(体は慧月)ですが、先を歩く莉莉は朱貴妃がいるであろう部屋を通り過ぎてしまう。
「朱貴妃様にご挨拶は…」と話しかける玲琳(体は慧月)へ「即座に謹慎せよと通達されています」と振り向きもせず答える莉莉。
妃と雛女は母と子にも等しい縁を結ぶはずであり、少なくとも玲琳の後見である皇后であれば、まずは話を聞こうとするはず。慈悲深いと評判の朱貴妃様は、実は冷淡な方でいらっしゃるのか…?と朱貴妃のことを考える玲琳(体は慧月)。
途中、鉛丹色(←こんな色)の衣を着た中級女官にバカにされながら、目的地の新しい室へ到着。
そこは、誰が見ても「ボロ屋」としか感想が出てこないボロボロの家屋。瓦は所々剥がれ落ちているし、戸は戸としての仕事を放棄して傾いている。莉莉曰く「元は食糧庫で、今では虫や菌の温床」とのこと。
ボロ屋のすぐ裏は高い塀があり、その塀は五家の一つである”藍家“の宮との境。他の家との境ということは、朱家の宮である朱駒宮最果ての地であるということ。
つまり、「追放」を意味する。
「ここに住むのですか?まさかここに…?」と呆然とボロ屋を見つめる玲琳(体は慧月)。
1話、2話を読んできた方ならすぐにピンとくるはずですが、玲琳(体は慧月)は「こんな最悪な環境で暮らすの?」とショックを受けているのではありません。「こんな素敵な場所で暮らしていいのですか?」と喜びに打ち震えているのです。
莉莉は玲琳と慧月が入れ替わっていること、玲琳(体は慧月)の鋼メンタルのことなど知る由もないので、玲琳(体は慧月)がショックを受けていると思い、慧月への今までの恨みを吐き出すように暴言を吐き、「あんたの世話なんてしない」と宣言してどこかへ立ち去ってしまう。
一人になった玲琳(体は慧月)は、ボロ屋の前でヒャッハー状態。
玲琳は”黄 玲琳“という名であり、黄家の人間。玲琳曰く「(黄家は)古くから土の神を奉り国の開墾を担ってきた一族。自らの足で立つことは黄家の誇り」。作者曰く「(黄家は)直系の者ほど開拓心旺盛で、大地のごとく動じない。どんな天変地異も「おやまあ」でやり過ごせる人々」。
困難を前にしてこそ血が騒ぐ!と、畑作りをはじめる玲琳(体は慧月)。そこに様子を見に来た鷲官長とその部下。
土まみれで草むしりをする玲琳(体は慧月)に唖然とする鷲官長とその部下の様子、そして3人のやり取りがおもしろいのでここはぜひ読んでほしい!
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