ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~2話/コミック:尾羊英 原作:中村颯希
1話で、慧月の道術により、慧月と体を入れ替えられてしまったヒロイン・玲琳。彼女は今の状況に絶望するどころか、入れ替わった慧月の身体が健康体であることに歓喜し、鋼のメンタルを発揮する。
玲琳(体は慧月)は、玲琳(中身は慧月)を傷つけた罪で、「獣尋の儀」にかけられることに。獣尋の儀とは、容疑をかけられた人間と獅子を同じ檻に入れ、食われなければ無罪、食われればそのまま死罪、という儀式(取り調べ)。生存率はゼロらしいので、まぁ事実上の処刑ですよね。
2話の見所は、なんといっても、獣尋の儀で腹を空かせた獅子と同じ檻に入れられた玲琳(体は慧月)が、いかにその窮地を脱するか、という点。
結論から言うと、玲琳(体は慧月)ではなく獅子の方が死亡し、玲琳(体は慧月)は無事に無罪となります。
今や慧月の身体となり健康体となったとはいえ、獅子を殺すほどの戦闘力はない玲琳(体は慧月)がいかにして無罪になったのか。
1話で玲琳(体は慧月)が牢にいたときに、「獣尋の儀の前に自害しなさい」って毒薬を渡されていたんだけど、牢にいたネズミと遊んでいたときに、ネズミが誤ってその毒薬を食べて死んでしまったんだって。で、玲琳(体は慧月)は「外に出た時にネズミさんを弔ってあげよう」と思って着物の中にネズミの死骸を忍ばせていて、獅子は玲琳(体は慧月)を襲った際にその着物のネズミの死骸を食べて、毒にやられて死んでしまった、っていう。こんな流れ。
「獅子に食われなければ無罪」という掟にならい、玲琳(体は慧月)は無傷で無罪。
この獣尋の儀のシーンも、ヒロインの鋼メンタルが惜しみなく発揮されています。
腹を空かせて唸っている獅子と同じ檻に入れられても、恐怖に慄くこともなく、許しを請うて泣き叫ぶこともなく、「(獅子の)この牙で貫かれたら死んでしまいますよねぇ」と淡々としてるの。こんな状況、出川や上島竜兵だって恐怖に叫んでる。
玲琳(体は慧月)に言わせると、「噛まれる前から痛がっていては体力が持ちません」だと。
いやどんなメンタル!?あ、そっか鋼メンタルでしたね…ってなるシーン。
無罪となってから、皇太子から「しょせんお前は悪女。分をわきまえた行動を取るのだな」と言われた玲琳(体は慧月)は「ふつつかな悪女ではございますが、己に見合った行動をいたします…」って、作品タイトルになっているセリフを言うのよ。
だからどうしたって話ですが、作品タイトルが作中で登場するとなんか「おぉ…っ!」って気分にならない?最近だと、『進撃の巨人』で「おぉ…っ」てなったわ。「”進撃の巨人”ってそういうこと!?」って。
話を本編のことに戻しまして。獅子と同じ檻に入れられても平然としていた玲琳(体は慧月)を考えると、きっとこの方、この先何があっても大丈夫だわ…って気持ちになります。
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