あの子の子ども1話/蒼井 まもる/別冊フレンド2021年6月号掲載
あらすじ
主人公は16歳高校2年生の福。福と書いて”さち”とよむ。周りの人からは「フク」とよばれていて、「さち」とよぶのは母親と、彼氏の宝だけ。
福が宝と初めて「した」のは15の夏。そこからは何度も肌を重ねてきた。
最近、お菓子をずっと食べたり、ご飯の匂いで吐いたり、人ごみで気持ち悪くなったりと、体調に異変を感じた福は、ドラッグストアで妊娠検査薬を購入。
その結果は―――?
感想
「その結果は―?」っつって、まぁ陽性だったわけですけども。「女子高生の妊娠」がテーマだから、主人公が妊娠しないと話はじまらないわけですし。
なんか、登場人物のセリフやモノローグ(心の声)が極端に少なくて、風景のコマが多くて詩とか映画みたいな漫画だったな。
福が可愛がっていた野良猫の「ノラ」のエピソードは、福の妊娠出産になにかしら関わってくるのだろうか。
これからの物語に関係しているであろうセリフがいくつかあって、まず彼氏・宝の
「形のあるものはそう簡単になくならねぇんだな」
ってセリフと、ヒロイン母の
「命に責任を持てないうちは育てられない」
ってセリフ。
どちらも、妊娠後に堕ろすかどうかの話になったときに関わってくる気がする。
彼氏・宝のセリフは、逆に言うと「形ないものは簡単になくなる」ってことなんだろうか…。「愛」って見えない、形がないものなんだけど、ヒロインと別れないだろうな、彼氏。
でも今回の1話を読む限り、彼氏の宝は好青年。おばさんにモテるタイプの良い子。作者の蒼井まもるさんも、作品インタビューで「宝には福を受け止めてほしい」って言ってたし、宝は妊娠を福だけに押しつけて逃げるような子じゃないと思う。
ヒロイン母のセリフは、ヒロイン・福が昔ネコを拾ったときに福に言ったことだそうで、この感じからすると、ヒロイン母は産むことに反対するのかな~。
この時に福が拾ったネコは、宝のおじいちゃんが引き取ってくれたそうです。
回想シーンで、ネコを飼うことを母親に許可されず、泣いている福に、宝が「大丈夫。オレがなんとかするから」って言って慰めてるのですが、福の妊娠を知ったら、宝おんなじこと言いそう。
「オレがなんとかするから大丈夫」って。
福のお父さん、そして宝のおじいちゃん以外の家族が出てこないことが今のところ気がかりですが、福と宝がどうか幸せでありますように。
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