オーダーメイド/高橋 一仁(たかはし かずひと)/芳文社
あらすじ
路地裏の小さなアダルトショップで売られている1本500万円のアダルトビデオ。理想の女性、夢に見たシチュエーション、そして本人さえ気づいていない異常な欲望をも具現化するその映像は、時に見る者の人生をくるわせていく――。
コミックトレイルHPより引用
感想
1本500万という、べらぼうに高いAVの作成を依頼しに来る人たちの末路を描いた作品で、基本的に1話完結のオムニバス形式。ハッピーエンドもあるけど、大体がバッドエンド。
1話が前後編に分かれていて、前編で500万AVを買った男の話、後編でAVに出演するために全身整形をする女の話、って形で大体は話が進んでいきます。
観る側(客)と作る側(出演者)のそれぞれの立場から、1つの話を見ることができるのがおもしろい。
作品の絵がいかにも「青年漫画!」って感じの濃い目の絵で、恋愛漫画に慣れきった私には「ストーリーも絵もちょっとキツイな~」、数話で「読むのやめよ」、って思ったんです。
ところがね、前の話で登場した人が別の回でも登場してて、「あ、これ話がつながってるっぽいな」と気づいてから「もう少し読んでみよう」って読み進んで、全4巻をあっという間に読んじゃったよ。
感想としては、おもしろいはおもしろいんですが、例えば友人に勧めるかって言ったらしないかな…。しないっていうかできない。勧める人を選ぶ作品。
AVがテーマの作品だからあんなシーンやこんなシーンもあるし、全体的に背後注意。
復讐モノでもあるため、内容も「おおぅ…」ってなる話が多いし。
同じ復讐モノの『復讐の未亡人』や『善悪の屑』が好きな人には躊躇なくおススメしたい。未亡人や屑が読めるなら、この作品は楽勝で読めるわ。
オムニバスなのでいろんな人が登場して、いろんな過去、エピソードがあるんですが、私が一番ツラかったのはダントツでアダルトショップのボスの過去。
奥さんがあんな目にあって、結局奥さん生きてるのか死んでるのかわからないまま終わったけども。
そして一番気になるのは、ボスの子ども。事件当時奥さんと一緒にいて、その後まったく出てこないし話題にもならないんだけど、どこいったの?
言葉もまだ話せないくらいの赤ちゃんだったのに…。犯人が手をかけた描写はなかったから生きてるはずなんだけど。
ボスの元にいないってことは、やっぱり奥さんは生きていて、どこかで子どもと暮らしているのか?
ボスの奥さんが生きてるのかどうかよりも、子どもの行方が気になるラストでした。
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