花野井くんと恋の病24話/森野 萌(もりの めぐみ)/デザート2020年6月号
ざっくりストーリー
球技大会当日。ちょっと元気のない花野井くんが気にかかるほたる。
花野井くんは、ほたるの応援と手作り弁当、そして圭悟を中心とするバスケチームのメンバーのおかげで色々ふっきれ、バスケの試合で大活躍。試合終了間際に周りが驚くような大技を決める。
感想 ※ネタバレ注意
今回めっちゃいい回…!神回の1つだわ。
まず、圭悟(きょーちゃんの彼氏)めっちゃいいやつ。花野井くんにバスケチームメンバーと関わる際のアドバイスはするけど、強要はしない。
皆に冷たい態度をとって、そのことを少し気にしている花野井くんに対し、圭悟は
別にいーんじゃん?歩み寄れとは言ったけど気持ちのいいキョリ感なんて人それぞれっしょ
って言うわけよ。誰も全然気にしてねーよ、って感じで。この押しつけてこない感じ、すごく良くないですか?
「皆と仲良くすること」は大事だし、仲良くしないよりはした方がいいって分かっているけどできない、またはしないって決めてる人(=花野井くん)にとって、「それでいーよー」って言ってくれる人が近くにいるってありがたいと思う。気持ちが楽になるだろうし。
空気読まないウザキャラみたいな感じで出てきた圭悟だけど、今回の球技大会編で見直した。ただのウザキャラじゃなかった。
圭悟のフォローもあってか、花野井くんのバスケチームのメンバーも圭悟みたいなタイプばっかで、花野井くんにちょっと冷たくされても全然気にしない人たち。まぁこの作品、基本嫌な奴出てこないけどね!皆いい人。
今回は、花野井くん、周りの人に恵まれてるなぁとしみじみ思う。
肝心の球技大会はというと、花野井くんのチームが決勝までいって優勝します。
その決勝戦がマジでスラムダンク。
ほたるが応援にきた瞬間やる気爆発で勝利への執念を見せる花野井くん。その姿はまるで「パスくれパスくれパスくれ」の時の流川の様。
試合終了間際に花野井くんがアリウープ(※1)を決め、試合終了の笛が鳴った後にハイタッチをする花野井くんと圭悟。その姿はまるで山王戦終了後の流川と花道の様。
(※1)アリウープとは…パスを空中でキャッチし、着地する前に決めるシュートのことである。パスする人とダンクする人の息が合わないと成功できない大技。
花野井くんと圭悟の息が合った瞬間だよね…
花野井くんの今までの性格からして、これから圭悟やチームメンバーと仲良しこよしとはいかないだろうけど、多少垣根は取り払われたんじゃないかと。しかも、メンバーが花野井くんのバスケ練習に付き合う報酬が”テストの山張り”だったから、テスト勉強を皆一緒にすることでどんどん仲良くなっていくんだろうな。
これね、花野井くんの他人に対する壁がどんどん薄くなって取り払われていったら、花野井くん今よりもっとモテると思う。今でも相当モテてるだろうけど、ほたる以外には超絶しょっぱいほどの塩対応だからきっと近寄りがたいよね。それが態度がやわらかくなったら、モテ度がアップするはず。
さらに、今回のバスケでの活躍でもモテ度アップだろうし。それでもほたる以外の女子には興味ないだろうけど。
この作品を安心して読んでいられる点はここよね。どんなに美人が花野井くんを狙ってアタックしかけたとしても、花野井くんは絶対に揺らがないという確信があるから、すごい心穏やかに読んでいられる。安定の花野井くん。
最後に圭悟がバラすんだけど、今回、クールな花野井くんが球技大会にこんなに本気を出して頑張った理由。めっちゃ可愛い。
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