犯人考察のため私が最近よく読んでいる『クジャクのダンス、誰が見た?』のおススメポイントを語らせてほしい。語るね。
特に考察とか推理が好きな方には激推したい。
『クジャクのダンス、誰が見た?』はここがおもしろい!
まず掴みがすごい。
父親が殺されて、犯人が逮捕されて、その犯人の弁護を被害者の娘(=主人公)が依頼するっていう。
え、なんで?ってなるよね。
父親が殺される前に娘に遺した手紙があって、その手紙に
「私の想定する最悪の事態…すなわち私が誰かに殺されたとして、以下に挙げる人物が逮捕・起訴されたとしたらその人は冤罪です。」
と書かれていたわけ。で、今回逮捕された人物が、まさに手紙に書かれた「冤罪」とされる人だったのよ。
この逮捕された男、東賀山事件という殺人事件で死刑が確定している死刑囚の息子。主人公の殺された父親は元警察官で、東賀山事件の捜査の中心的存在だった人。因縁ありまくり。
周囲の人たちは「死刑が確定した父親の無罪を妄信している息子の逆恨み」と言っているけど、殺された父親本人の手紙には「冤罪です」と書かれている。
主人公は父の手紙を信じて、手紙に書かれていた弁護士に犯人の弁護を依頼しに行くの。それが始まり。
話が進むにつれて、主人公の父親は「東賀山事件で逮捕した死刑囚が無実なんじゃないか?」って事件を調べ直してて、真犯人を知ってしまったから殺されたことがわかる。
なので主人公たちは、父親を殺した真犯人と、23年前の東賀山事件の真犯人を追うって話。
過去の事件と今の事件が繋がっているパターンって考察しがいがあるよね。
この作品、出てくる登場人物たちがつながってくる。「え、この人もここに繋がってんの!?」ってなることが多々ある。ちょっとしたセリフも意味があるし、「すべてが伏線」という気持ちで読んだ方がいい。
あとこの作品で一番いいところは、絵がうまい。
「プロの漫画家が描いてるんだから当たり前でしょ」って思われるかもしれませんが、違うんですよ。「これ関節どうなってんの?」とか「人物Aと人物Bの見分けがつかん…」とかいうことがよくあるんですよ。「絵」で気になることがあると、漫画の世界に入っていけないじゃんね。
特にこういうサスペンス系や推理ものは、ただでさえいろいろ考えながら読んでるのに絵が下手だと没頭できないから嫌なのよ。
この漫画はそれがない。老若男女の描き分けがほんっとにうまい。
しみじみ「うまいな…」と感じたのは、6巻21話3ページ目の「何かが狂い始めた」のコマ。赤沢と山下の横顔だけのシーン。二人とも中年の男性で、黒髪短髪。山下がメガネをかけているという違いはあるけど、それを抜きにしてもちゃんと見分けがつく。おでこ、鼻、眉毛、顔の輪郭の形がちゃんとちがう。年代と性別と髪型と髪の色がほぼ一緒の人物を描き分けられるってほんとにすごいと思う。無料の試し読みで見られるからぜひ見てみてほしい。「何かが狂い始めた」のコマです。
今この記事を書いている段階で、『クジャクのダンス、誰が見た?』は7巻で完結ということが発表されている。掲載誌の『Kiss』では最新28話まで発表されてるから、全30話で完結だと予想してます。2月25日発売の『Kiss』に最終話が掲載されるかなと思ってる。
全30話中の28話目を読んでもね、犯人全然わからないの。今で全巻読んで、1か月じっくり犯人考察して2月25日の最終話で答え合わせって読み方どうでしょう?
ほんとに読んでほしい。そして犯人考察して語り合おうよ。
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