サイソウフレンズ第2夜/江唯 みじ子(えゆい みじこ)/ハツキス19号掲載
[著]江唯みじ子
ざっくりストーリー
居酒屋を出て、1人雨の中を歩く薊(あざみ)を追いかけてきた自由太(じゅうた)。そこで2人は口論となり、薊は自由太を陸橋の階段から落としてしまう。
血を流して動かない自由太。
｢誰か元に戻して！｣と薊が泣き叫んだ時、薊に雷が落ち、気が付くと高校時代に戻っていた。
しかし身体は薊自身の身体ではなく、なんと高校時代に自殺した黒井雪の身体だった。
感想 ※ネタバレ注意
まさかのタイムスリップもの！
おもしろいのは、社会人の主人公が高校時代にタイムスリップしたら、高校時代の自分に戻るんじゃなくて、主人公がいじめて自殺してしまったクラスメイト黒井 雪になっていた、ってとこ。
あー、だから1話の最後が｢世紀の嫌われ者(＝自分自身)と戦う｣ってなってたのか、ってここで合点がいく。
社会人になったいじめ主犯の魂(？)が、高校時代にタイムスリップしていじめ被害者の身体に入って、当時の自分と戦う、と。
この戦い、フツーに考えて、”いじめ主犯の魂が入ったいじめ被害者(＝主人公)”がめちゃめちゃ有利よね。
だって、戦ってる相手、自分だもんね。しかも過去の自分だから、これから何が起きるとか、この時何考えているとか全部わかるもんね。
圧勝でしょうよ、と思ってたけど、2話目は突然高校時代に戻っていて、しかもいじめていた人の身体になってたもんで主人公も混乱して何もできてない。
高校時代の主人公の靴を舐めろと言われた時に、取り巻きの1人に目つぶしの砂撒いて逃げたくらい。その時砂かけられた人が｢目がぁぁぁぁ｣って某大佐みたいになっててウケた。
しっかし、この主人公ほんとにいやらしいわ。現世の主人公じゃなくて、高校時代の方ね。現世の方も大概だけど。
主人公の取り巻きが、いじめ被害者の黒井(中身は社会人の主人公)にホースで水ぶっかけるわけよ。
ぶっかけて、主人公に｢もっとやった方がいいかな？｣って聞くわけ。そしたら、主人公は｢水撒いたせいで靴に泥がついた｣って言うだけなの。
そこで、取り巻き連中が顔見合わせて｢靴の泥舐めて拭けよ｣って黒井(中身は社会人の主人公)に命令すんの。
わかります？このいやらしさが。
主人公は、取り巻きに｢やれ｣って言ってないの。｢水かけろ｣とも｢靴舐めろ｣とも言ってないの。
でも、この状況でこのタイミングで｢靴に泥がついた｣って主人公が言えば、取り巻きが黒井に｢靴をお前がキレイにしろよ｣ってなる流れになるってわかって言ってるの。
はっきりとは言わないけど、そうなるように仕向けてる。
要は察してちゃんですね。
1話目で主人公は恋人いないって言ってたけど、この性格じゃあそりゃあそうだろうとしか…。
こんな女性を恋人にしたらすごく大変そう。
イベントとか記念日とか、主人公がイメージする演出を超えられなかったらめっちゃ文句言われそう。
偏見だけど、付き合うのめっちゃ疲れそう。
話を本編に戻しますと、黒井(中身は社会人の主人公)は取り巻きに砂をかけてダッシュで逃げる。隠れているところに通りかかったのは、現世で主人公が階段から落として殺して(？)しまった自由太(じゅうた)(高校生バージョン)。
ここで2話目終了。
高校時代、自由太は主人公の仲間。だけど、自由太も主人公のこと｢死ぬほど嫌い｣って言ってたから、黒井さんのこと助けてくれるのかなー。助けないまでも、無視して通り過ぎるくらいでもいい。
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