『来世は他人がいい』を読んでる人で翔真推しだったら絶対読んだ方がいい
二人は底辺/小西 明日翔(こにし あすか)/一迅社
主人公の染井吉乃は13歳。ヤクザの家の娘ということで、学校でも浮いた存在だった。そんなある日、彼女の祖父が翔真という少年を引き取ると言い出し――…。吉乃と翔真と出会いのエピソードが43ページにわたり描かれます。
Amazonより引用
感想 ※ネタバレ注意
私は霧島よりも翔真派でして。あ、『来世は他人がいい』の話です。
翔真の何がいいって、吉乃をめちゃくちゃ大切に思ってる感じね。あの感じがいいですよね。
直接言葉にすることはないけど、言葉の端々とか態度で、吉乃のことがすごい大事なんだな~ってわかる。そこがいい。
そんな翔真と吉乃の出会いの話が本作です。
吉乃13歳、翔真15歳、2人は同じ中学で、翔真がシンナーとかやってるって噂を聞いていた吉乃は「一生関わらないでおこう」と思っていたのに、蓮司(吉乃の祖父)から「翔真をワシの息子としてうちで育てる」って突然言われて吉乃が「ええええぇぇぇ~」ってなる話。
これが少女漫画だったら、イケメンと一つ屋根の下で恋がはじまっちゃう…♡!?てな設定ですが、いかんせん『来世他人』のエピソードゼロ的な話なので、ラブいシーンはまったくないよ!
見どころはね、やっぱり吉乃のブチ切れシーンでしょう。『来世他人』でもおなじみのキレキレ吉乃が本作でも見られます。キレキレの13歳吉乃。
キレるきっかけってのがね、翔真の父親がクズなんですよ(母親は他界)。クズクズのクズ。金のためなら息子(翔真)をヤクザに売るようなクズ。
そのクズが、翔真にお金せびりにきて、翔真がそれにブチ切れて持ってた刃物でクズを殺そうとするのね。それを吉乃が「やめとき」って止めるの。「こんなクズはアンタが殺さんでも他の誰かにやられるわ」って。
したら翔真が「適当なこと言うなや!」って吉乃を睨みつけて、「どれだけ待っても誰もコイツを殺してくれへんかった」って怒鳴るわけ。
そしたら吉乃どうしたと思う?
「わたしがやったる」っつって。
いやそんなダチョウ倶楽部じゃないんだから…
「翔真が15歳で吉乃がまだ13歳。14歳未満は刑事責任問われない。せいぜい少年院や」って。
もう翔真もポカーンですよ。
そして怒涛の吉乃ターン。
ちゃちゃっと翔真の処遇を決めて(「アンタは今から染井蓮司の息子。このカスはアンタの父親でもなんでもない」って)、クズをちゃちゃっと追い払って。
しかもさ、この時の吉乃の恰好が着物姿なもんで。着物姿でブチ切れて啖呵を切るもんだから、まるでもう”極妻”。
必見です。
「『二人は底辺』も『来世は他人がいい』の単行本に収録される日が来るのを待つ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、作者の小西さんが「『二人は底辺』が紙書籍で出版される可能性はほぼ無い」と明言されているので、電子書籍でちゃちゃっと買って即読むのがおススメです。
※2018年のツイート
2015年にゼロサムに掲載された翔真と吉乃の読み切りは単行本に収録されることはありません。ただ、おそらく今月末に電子で分冊版として販売される予定ですので、また発売日決まりましたら報告いたします!
— 小西明日翔 (@3Fe2O2Fe3O4) August 16, 2018
Q.「二人は底辺」が紙の書籍で出版される可能性はないのでしょうか?
A.申し訳ございませんがありません…!以前ツイート致しましたが、契約の関係上難しく、また私がそもそも収録するつもりが無かったためです。短編集などを出すことがあれば可能性はありますが、ほぼ無いと考えて頂いて構いません。— 小西明日翔 (@3Fe2O2Fe3O4) August 21, 2018
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