来世は他人がいい1巻/小西 明日翔(こにし あすか)/講談社/掲載誌:アフタヌーン
極道の家で生まれ育った女子高生、染井吉乃。
家庭環境は特殊でも、おとなしく平穏に日々を過ごしてきた。婚約者の深山霧島と出会うまでは——!
前作『春の呪い』で「このマンガがすごい!2017」(オンナ編)2位にランクインした小西明日翔が「アフタヌーン」に初登場。
はみ出し者たちが織りなす、スリルと笑いが融合した極道エンタメがここに誕生!―アフタヌーン公式サイトから引用―
感想 ※ネタバレ注意
霧島ヤバすぎ
この漫画を読んだとき、大抵の人が持つ感想だと思う。
霧島マジヤベェやつ。
最初はさ、ニコニコしてるし、ほんと「好青年」って感じで、「ヤクザの家の子って言っても、フツーに優しい良い人なんだな」って思ったのよ。
時々、霧島の目が恐くなるコマがあったりして「ん?」と思うとこはあったけど。
ほんとに吉乃を気に入って、大切にしてるんだなーと思ってたの。
ところがどっこい、でしたほんとに。
吉乃がガラ悪い男達にナンパされて、それを霧島が瞬殺でボコボコ(し、死んだんじゃ…?ってレベル)にするのね。
そこでナンパ野郎に言うことも怖いんだけど。
「報復に来てもいいけど その時はお前らもお前らの二親等以内の身内も全員殺すからな」
っつって。
一番怖かったのは、吉乃に対して「その顔と体売って金にしてくれない?」って吐き捨てたとこ。ちょっと困った様なニコニコ顔で。
霧島は、「女に嫌われてる女に人権無視でメチャクチャに振り回されるのが最高に好きなんだ」って。
吉乃を初めて知ったときから、死ぬほどワガママで自己中な女なんだろうと思ってたのに、「吉乃が普通すぎて飽きちゃっ」て、「相手するのも面倒臭い」んだって。
だから、せめて「俺の儲けになる女になってくれない?」っつって、深山一家が関わってるデリヘルを吉乃に紹介するのよ。
いや、クソすぎん?
「勝手に期待してた俺が悪いんだけど」ってほんとだよ。
勝手に期待されて勝手に落胆される、された方からしたら「は?」ってなるパターン。
霧島が吉乃に持ってた印象、フツーだったら(特に少女漫画だったら)恋が始まるパターンだけどね。
性格キツそうな美人だけど、関わってみたら結構フツーで、「なんだ、意外にいい人じゃないか…トゥンク」みたいなね。
相手が超絶変態の霧島だったがために、予想斜め上の展開でした。
吉乃も結構ヤバかった
「その顔と体売って金にして。それが嫌なら大阪帰って」
と霧島に言われた吉乃は、その後、祖父・蓮二と電話で話した際、「1年は(大阪に)帰ってくんな」と言われる。
「1年かけて深山の倅(霧島のこと)を死ぬほど自分に惚れさせたれ」
「そんで1年経ったら容赦なく捨てて帰ってこい それが男に一番効く復讐じゃ」
っていう理由で。
祖父との電話後、「期待通りやったろやないか…」と呟き、どこかに電話しながら歩き出す吉乃。それから2週間、霧島の前から姿を消す。
2週間後、吉乃が突然霧島のクラスに入って来て、霧島の机に持ってた紙袋を置く。
曰く、「売ってきたったわ 体」「腎臓片方400万」
紙袋には札束が。
霧島に大阪には帰らない宣言をし、「アンタがドMクソ野郎っていうのも勝手にしてって感じだけど、あんまり調子乗ったらわかってるよな?」とくぎを刺し、自分に嫌がらせをしてきた女子に対しても「お前らにも言うてんやぞ」と声をかけ、「お前らのこと冥土の道連れにして人生メチャクチャにしたるからな」と啖呵をきる。
霧島に体売ってこいと言われ、ほんとに体(臓器)を売ってきた吉乃。
霧島も大概ヤバい奴だったけど、吉乃も結構ぶっ飛んでる。
フツー臓器売るか…?と思ったけど、この人たちに「フツー」はないわな…。
「フツー?なにそれ美味しいの?」状態でしょうね…。
「人生メチャクチャにしたるからな」という吉乃の啖呵をみた霧島は、「好きだ絶対結婚しよう俺の人生メチャクチャにして」と吉乃に告白(プロポーズ?)。
さすが変態ドM!惚れるポイントがわけわかめ!
霧島は「自分の思い通りにならない女に人生をメチャクチャにされたい」から、体を売ってと言って後に臓器を売ってお金にしてくるという、自分の予想以上の行動をしてきた吉乃に「人生メチャクチャにしたる」って言われて「ハイ喜んで!!」ってなっちゃったのかね。
霧島に惚れられ、この後校内でもずっと霧島につけ回される吉乃。もうご愁傷さまとしか言えない。
作者のピクシブがおもしろい
作者・小西明日翔(「鉄男」名義)のピクシブに『来世は他人がいい』の設定集?が公開されてるんですが、これがおもしろい!
若い頃のジジイ共とか、霧島のドMっぷりとか、吉乃の霧島に対する塩対応っぷりとか興味がある方は必見!見る価値は十二分にある。
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