一時期、やたらネット広告で流れてきて、今年(2023年)には実写映画化とアニメ化で話題の『わたしの幸せな結婚』。
広告を見る限り、家族から虐げられている女の子がヒロインみたいで、タイトルからして結婚して幸せになる話、いわゆるシンデレラストーリーなのかと思ったら、そうなんだけどそうじゃなかった。
わたしの幸せな結婚 1巻 壱話~7話収録
ただのシンデレラストーリーじゃない!”無能”とされているヒロインがレア能力を持っていそう。
“異能”という超能力的な力を持つ人間がいる世界、という設定。代々異能者を出している名家の生まれなのに、異能を持っていないと蔑まれ、家族から虐げられてきたヒロイン。
しかしこのヒロイン、なにやらSSR級の超レア能力を持っていそうな雰囲気がプンプンしています。
まだ1巻なので伏線しかないのだけど、たぶんだけどヒロインが見る「夢」に関係ありそうな能力。
死んだ母親が夢に出てきて、「あなたがもう少し大きくなったらーーー」って意味深なこと言ってたから、成長して解放される能力なのか?
ヒロインが見る「夢」は、大体が幼少期に虐待されてた記憶とか、過去のつらいことで、思い出し夢っていうの?うなされて目が覚めるっていう悪夢。
最初は、ヒロインのつらい幼少期を夢という形で読者に見せる演出なのかなと思ったんだけど、1巻だけで3回も夢の描写があったから、これが演出だとしたらくどいでしょ。「もうわかったから!」ってなる。
なのでこんなにしつこく描かれるということは、夢の話はきっとヒロインの能力の伏線なんでしょう。…たぶん。
大体ね、「持つべきはずのものを持っていない」とか「この子だけ○○が違う」とかって特徴を持つキャラクターは、なにかしら特別なモノを持ってるって相場は決まってるんですよ。
ヒロインが特別な能力を持っている、という根拠としてあげられるのは、死んだ実の母親が「飛び抜けて異質で危険とされている」異能を持つという、「薄刃家」の人間だからということです。
薄刃家の異能は「人の心に干渉するもの」で、その中の一つに「夢に入り込む」って行為があるって語られてたから、こりゃあもうヒロインの見る夢は異能と関係ありありでしょう。異能の力は遺伝するものらしいし。
それとも、異能を持っていた母親が、死してなお、夢をとおして娘に接触をはかってるのか??
どちらにせよ、薄刃家の異能が関わっているはず。
きっとヒロインは無能じゃない!
異能を持たないからってヒロインを虐げた家族ども、ヒロインが持ってるであろうレア能力にビビり散らかして今までのことを泣いて詫びろ!
特に父親!!実の娘になんて仕打ちなの。1日2回はどこかに足の小指ぶつけて悶絶する呪いにかかってほしい。
1巻で起こったヒロインの変化
ヒロイン・美世がね、ほんっっっっとに欲がない子でね。
欲がないというか、あの環境で育ったがために、何かを欲しいと思ったり期待することを全部諦めてしまった子でね。
冷酷無慈悲って噂される久堂家当主(本作ヒーロー。美しいイケメン)に嫁ぐことを父親に命令されて、家を出る前夜。眠りにつく前、美世のモノローグ(心の声)は
早くこの命が尽きるのをただ期待して眠る
それだけ
ーわたしの幸せな結婚1巻 第壱話「婚約」より引用ー
だよ?
嫁ぐ前の日にこんな悲しいこと思いながら眠りにつきます?
幸せになることなんてないって、全部あきらめちゃってるの。
それは美世の育った環境を考えればそうなるかもって思うし、かわいそうとも思うけど、私は物語の主人公としてこんな超受け身の人間はあまり好きじゃないです。自分で道を切りひらいていくわ!ってタイプが好き。
上記引用したセリフも、「命が尽きるのを期待する」って、自分が死ぬことも流れまかせかよって思う。
これは決して「じゃあ自分で死ねよ」って言ってるのではなく、すべてを誰かの判断や流れにまかせて、自分では何も決めないっていうヒロインをあらわしたモノローグなんだろうなって思ったし、そういうキャラクターは私は好きじゃないなっていう話。
そんな、何も望まない何も期待しない、シングルモルトウイスキーのCMか?っていう美世がですよ、1巻の終盤で「少しでも長くこの人(ヒーローの久堂)と一緒にいたい」って望むんですよ!
は~~~~~~~…もう…
そして久堂から櫛をプレゼントされて、物語はじめからずーーーっと無表情だった美世が初めて微笑むんですよ!!
はぁ~~~~~~もう…っ は~~~~~~~…
かわいい…
久堂との交流で、少しずつ表情が戻ってきてる美世がかわいいんだこれが…。
この調子で普通の人間としての欲や希望も取り戻してくれ!久堂は財力もあるから多少のわがままもきっときいてくれる!
そんなかわいらしい美世の微笑みで1巻は終わりかと思いきや、久堂が式神?に尾行られてそれを焼き払うという、なんか不穏な感じで1巻終わり。
久堂を尾行した式神?は薄刃のものか、美世の実家の斎森のものか、はたまた全然違うところのものか。そんな感じで2巻に続く。
私は単行本↓で読んだけど、
分冊版↓の方が無料で読めるページが多かったので分冊版も貼っておきます。「命が尽きるのを期待して眠る」美世がみられる。
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