◆今回の見どころ(読みどころ)
✓虎松譲二が拘置所で病死
✓少女漫画かよ!と言いたくなる、川合と如月のドキドキ雨やどり
✓最後のページの伊賀崎こわっ
めちゃめちゃ気になっていた、154話の続きっぽい回がやっときた!
1ページ目で「虎松譲二が病死」という衝撃展開。虎松の話が出たってことは154話の続きか…?って思ってワクワクして読んだら、川合と如月のドキドキエピソードが描かれて、なんだ今回も154話の伏線回収ないのか…ってちょっと残念に思ったら最後のページ!
なんだあの闇夜の伊賀崎!こわいよ!
いったい何があったのか、今回163話のネタバレ含む感想です。
ハコヅメ~交番女子の逆襲~163話ざっくりあらすじ/泰三子/モーニング2021年34号掲載
虎松 譲二が拘置所で死亡した。ガンが相当進行していたことによる病死だった。
父親の死に動揺した虎松譲二の娘、安達菜摘が川合に「話をきいてほしい」と連絡をとってきたことで、念のため如月も同席することに。
菜摘と喫茶店で話した後、帰り道でどしゃぶりになってしまい、川合と如月は2人で雨やどりをする。
川合ともう少し一緒にいたいと思っていた如月にとっては幸運の雨で、「俺にしては怖いくらい運がいい日だな」と思いながら、雨上がりの道を川合と歩いていく。
場面は変わり、夜の海で花束に火をつけて捨てる伊賀崎は、「死に逃げ大成功かよ。虎松くん」と薄笑う。
感想と考察
今回の考察ポイントは以下の点。
・如月の「運がよくない」ことと、「運を持ってる」虎松譲二
・やたら強調される「使命」
・最後のページのアオリ文句と、今回163話のタイトル「最期の幸運」の意味
考察の前に、ちょっと川合と如月の話させて。
これだけは言わせて。
あま~~~~~いっ!!!
あれ、今私が読んでいる漫画は少女漫画だったかな?って思うほどの糖度!糖度高め。
川合と如月が2人で屋根付きバス停で雨やどりしてて、川合がベンチに座ろうとしたら距離感間違えて、如月の肩とがっつり当たる状態で座ってしまって、「本職、座る際間合いを読み誤りまして。遠慮はいりませんので離れてください」って如月に言ったら、如月の返しが
「遠慮しなくていいなら離れたくない」
だってよ!
川合赤面だったけど、見てるこっちも割と赤面だったわ。甘かった。
ではここから話は変わりまして、今回163話の感想と考察に参ります。
如月の「運がよくない」ことと、「運を持ってる」虎松譲二
今回、如月の「あまり運は良いほうじゃない」というモノローグ(心の声)から始まる。
対して、虎松譲二は運を持ってる男だったらしく、「幸運が重なり警察から逃げ切った」「虎松が望んだように天気が変わる」といった武勇伝があるらしい。
運が強い人の強運さをあらわすときに、「晴れ男」って言ったりはするけど、「望んだ天気になる」ってエピソードあまりなくない?天気あやつれるってすごすぎん?『日出処の天子』ってマンガ思い出したわ。
望んだ天気になるっていうエピソードがちょっと不自然だなと思ったんだけど、後述する”通り雨”に関係するっぽい。
やたら強調される「使命」
154話で伊賀崎が「警察官の責務」について話していて、それに関わるのか、今回は「警察官の使命」が強調されて書かれてたのよね。
以下がまとめ。
あと、川合も今回の話の中で「私もちゃんと危機感を持って警察官としての使命を果たそう」って言ってるんだよね。やたら「使命」が強調されてた。
154話の考察で、伊賀崎が言う”警察官の責務”の意味は「警察がサボれるほど犯罪が減る=そもそも事件を起こさないようにする」ってことじゃないかって書いたけど、なんか違う気がしてきた。
もっとストレートに、警察官をサボる→警察の仕事じゃなくて別の事やってる→別の事=犯罪組織 なのではって気もしてきた。
でもやっぱり、伊賀崎所長はちゃんと警察官で、なんか警察を裏切っているような感じになってるのはミスリードだと思うんだよな。伊賀崎所長は好きなキャラなので、裏切ってませんようにという気持ちがあるから余計にそう思いたいんですけども。
伊賀崎所長が警察を裏切ってないって思う理由が、今回の話を読んで1つ増えた。
東岩係長が言った警察の使命、「汚い世界と向き合い続けて有事に備えること」が、まんま伊賀崎所長をあらわしているんじゃないかって。
伊賀崎所長、虎松譲二がいた組織の上層部と未だに関わりがあって、でもそれは「有事に備えるため」だから、大きな事件が起きない様に見張っている意味での関わりだと思う。
最後のページのアオリ文句と、今回163話のタイトル「最期の幸運」の意味
今回163話のラストページ、「え、こわっ」てなるよ。
雨上がりの道を歩く川合と如月の姿を、消火栓の標識にとまったカラスが見下ろしている。
そしてその隣のコマで、夜の波止場(?)で、伊賀崎が花束を燃やして海に投げ捨てて、「死に逃げ大成功かよ。虎松くん」と薄ら笑ってる。
アオリ文句は「この通り雨は、誰にとっての幸運なのか。」
まずこのラストページ、「消火栓の標識にとまったカラス」に意味があると思う。
今回の話で、標識や消火栓は「有事に備えて一つ一つ人が増やしていったもの」って説明されてるから、その標識にカラスがとまってるって、なんか不吉じゃない?だから、これから起こる凶事の暗示。
同じページ内のなんだか不穏な伊賀崎所長が、黒ずくめの恰好をしていることから、標識にとまったカラスは伊賀崎所長をあらわしているのかなとも思った。
有事に備えるための標識にとまるカラス=有事に備えるために隠密行動をしている伊賀崎所長、という暗喩。
次に、アオリ文句の「この通り雨は、誰にとっての幸運なのか。」について。
え、通り雨は如月にとっての幸運なだけで、他にあの通り雨を幸運に思う人いたの?ってなったわ。
その流れで、最後のコマにはでかでかと「ハコヅメその163話 最期の幸運」って今回のタイトルが書かれてる。
「最期」って言葉、「死にぎわ」とか「臨終」って意味だから、え、なにこれ、次回如月死ぬの?
だって、アオリ文句の「この通り雨は、誰にとっての幸運なのか」の答えは、如月でしょ。通り雨は、川合ともう少し一緒にいたいと思っていた如月にとって幸運だったわけだから。
からの、163話タイトル「最期の幸運」って、如月にとっての最期(死に際)の幸運、ってこと…?
と考えてみたものの、さすがにそれはないよね。如月みたいな主要キャラがなんの前触れもなく突然殉職したらビックリするわ。
虎松譲二の強運エピソードで書かれていた「望んだ天気になる」を考えれば、「最期の幸運」は虎松譲二にとっての幸運なのかもしれない。あの通り雨は、如月だけじゃなくて譲二にとっても幸運だったのかも。
通り雨のおかげで、譲二の娘に何かいいことがあって、娘を大切にしてた譲二にとっては、娘にいいことがあったってことが幸運だった、みたいなね。
さっき標識にとまったカラスについて書いたけど、今カラスについて検索したら「古来、カラスは霊魂を運ぶ霊鳥とされていた」ってあった。だからあのカラス、伊賀崎所長をあらわしているというより、譲二をあらわしているのかも。
伊賀崎所長が譲二に対して言った「死に逃げ大成功かよ」は、譲二が公判を待たずに病死したことに対してだと思う。
結局、譲二は裁判前に死んでしまったから、裁判で罪名がつくことも、罪を償うこともなく。そのことを「死に逃げ」って言ったのでは。
とにもかくにも、次話で話が大きく動くはず!
…どうか如月は死にませんように。
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