前回のお話
金家の上級女官・雅容から、金家の中級女官にしてあげるかわりに”朱 慧月をいたぶれ”と依頼され、引き受けた莉莉。
一方、玲琳の体になり代わった慧月は、熱を出して寝込んでいるところへ「いつもの鍛錬を行いましょう」と女官から鍛錬に誘われ、「この女、病人になにを言ってるの?」と困惑&「この体でやっていける?」と不安を覚える。
玲琳(体は慧月)は「芋揚げを飲める!」と健康な体に大喜び。
前回4話は、自身の母親の夢をみて布団の中で涙を流す莉莉と、その姿を横目で見つめる玲琳(体は慧月)のシーンで終わり。
莉莉の様子がおかしいことを玲琳(体は慧月)が気づいているっぽいので、今回は莉莉救済の話なのかな?気になる続き5話のネタバレ含む感想です。
✓今回5話の見どころ(読みどころ)
・登場がかっこいい鷲官長・辰宇
・玲琳(体は慧月)に完全に心を開く莉莉
・玲琳がMajiでButiキレる5秒前
金家からの取引、そんな簡単に引き受けちゃって大丈夫?金家の中級女官にしてもらえる保障なくない?って思ってたら、案の定でしたね!「汚い取引もちかけるやつは大体約束守らない」の法則にキチンとあてはまる金家。クソが!
今回も、玲琳(体は慧月)の鋼メンタルが発揮されて莉莉はツッコミと化していたの笑うw
しかし金家との取引で苦しむ莉莉を我らがメンタル様はさらっと救い、莉莉に「この人とともにいたい」と言わしめたほど。しかもしかも、莉莉を救ってハイ終わり、ではなく金家にきっちり報復もされるようでマジ胸熱!!
前置きはこのへんにして、スカッとジャパンだった今回5話、早速ネタバレ感想いってみよう!
ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~5話ネタバレ/コミック:尾羊英 原作:中村颯希
差別を受けてきた莉莉の悲しい過去
母親が異国の踊り子だったということで「娼婦の血筋」と言われ、莉莉は仕官初日から差別を受けていた。中級女官として入ったはずなのに、与えられたのは洗朱色(下級女官)の衣。
下級女官:洗朱色、中級女官:鉛丹色、上級女官:銀朱色
莉莉の独白によると、
・莉莉母の舞をみて莉莉父が見初め、妾として下町に囲い、莉莉は母親と2人で暮らしていた。
・莉莉父の正室から嫌がらせを受ける(これが原因で莉莉母死亡…?)。
・莉莉父は莉莉母の死後も莉莉を本家には迎えず、朱家の女官として雛宮へ送りこむ。
という経緯で女官となったらしい。
女官になったらなったで、母親の身分と赤毛のせいで差別を受けて、主人である慧月からはイジメを受けて…という地獄の日々。
莉莉はずっと「くやしい」という気持を抱えて生きていたため、「朱駒宮(朱家の宮)から抜け出すならなんだってやる」「今まで自分を蔑んできたクズどもを見返してやる」という気持から、「金家の中級女官にしてあげる」という金家の取引に応じた。
莉莉のモノローグ(心の声)で、母親のことは「母さん」、父親のことは「父」となっていることから、莉莉が母親のことは慕っていて、父親にはなんの想いもないことがわかる。
これは管理人の想像ですが、正室の嫌がらせを止めなかったことや、莉莉を本家に迎えなかったことから、莉莉は父親を憎んでいるかも。
また、莉莉父の正室を「クソアマ」とよんでいることから、莉莉の気の強さもよくわかります。
登場がかっこいい鷲官長しゅうかんちょう・辰宇しんう
莉莉からの嫌がらせもまったくダメージを受けない玲琳(体は慧月)。
ノーダメージの玲琳(体は慧月)に業を煮やした雅容(金家の上級女官)は、「次は証拠がほしい。(慧月の)衣でも髪でも心臓でも好きなものを裂くがいい」と莉莉に刃物を渡す。
莉莉は「嫌がらせと殺傷では話がちがう。私が処刑されてしまう」と抵抗するが、雅容は「できないなら、(4話であげた)簪を盗まれたと言って鷲官におまえを突き出すだけ」と莉莉を脅す。
さらに「男を誘うしか能のない踊り子の娘風情が、本気で金家の中級女官にしてもらえるとでも思ったの?」と、取引の約束も反故にされてしまう。「お待ちください」と手をのばした莉莉を足蹴にして水溜りへ尻をつかせ、雅容は立ち去った。
慧月(中身は玲琳)を傷つけても捕まるし、傷つけなかったら簪盗みで捕まる、というお詰みの状態で、莉莉は慧月の衣を切り裂き、居合わせた玲琳(体は慧月)に泣きながら刃物を向ける。
玲琳(体は慧月)へ刃物を振り下ろそうとした瞬間、「なにをしている!」と止めに入ったのが鷲官長の辰宇。
この辰宇の登場シーンがとてもかっこよ。「ヒロインの危機に登場するのは大体ヒーロー」という少女漫画の鉄板法則があるなら、本作品のヒーローは殿下ではなく鷲官長なのでは?と思うわ。
なぜこのタイミングで鷲官長が登場?と思ったら、「刃物を持った女官が朱駒宮に向かったと報告があったため確かめにきた」とのことなんだけど、「刃物を持った女官が朱駒宮に向かったと報告」したのって、誰なんだろう?
もしも金家の雅容だったとしたらアイツまじでえげつないな。
玲琳(体は慧月)に完全に心を開く莉莉
「後宮内での刃傷沙汰は厳刑に処す」という前提の元、「なにがあった」と鷲官長に問われる玲琳(体は慧月)と莉莉。
莉莉は鷲官長に取り押さえられたまま、真っ青な顔で震えている。
玲琳(体は慧月)は「枝毛を切ってもらっていました」と笑顔で答えるが、「その言い訳が通用するとでも?」と返されてしまう。
それでも玲琳(体は慧月)は淡々と、「純粋な事実。莉莉がどんな目的や思いを抱いていたとしても、実際に起こったことはわたくしの枝毛が切り取られたということだけ」「起こらなかったことを疑ったり非難したりしては体力がもったいない」と話し、鷲官長は何も返せない。
「殿方のいない場所で莉莉の身を整えてやらねば」と鷲官長とその部下の退室を促し、玲琳(体は慧月)は莉莉に銀朱色(朱家上級女官の衣の色)の着物を羽織らせる。
「洗朱も愛らしいけれど、きびきびとしたあなたにはきっと銀朱が似合います」と。
うつむいて泣く莉莉の顔を無理矢理あげさせ、「顔を上げましょう。うつむいて健康を損ねてはお母君に叱られてしまいますよ」と語りかける玲琳(体は慧月)。
突然母親の話題を出されポカンとする莉莉に、玲琳(体は慧月)は尊敬の表情で莉莉母を語る。
玲琳(体は慧月)の言葉に、亡き母の言葉を思い出し、母を想いながら泣き崩れる莉莉。
地面に額をこすりつけて「申し訳ございませんでした…っ」と今までのことを謝罪する莉莉だが、「むしろ追いつめられていたあなたに気付けなくてごめんなさい」と逆に玲琳(体は慧月)に謝罪され抱きしめられる。
莉莉は玲琳(体は慧月)を抱きしめ返しながら、「あたしはこの人とともにいたい」と、金家の雅容に、もらった簪と精米を返しに行こうと決意。
玲琳がMajiでButiキレる5秒前
完全に玲琳(体は慧月)に心を開いた莉莉。莉莉の涙がおさまってきたところで、「ようやく本題とまいりましょうか」と切り出す玲琳(体は慧月)。
なんだか不穏な空気。笑ってはいるが、なんだか笑顔が怖い玲琳(体は慧月)。
「わたくしはね、健康維持のために手洗い、清潔、笑顔をとても大切にしているのです。なのに誰かがあなたを泥で濡らし、あなたの笑顔を奪った」
「教えてください莉莉。わたくしの大切な女官の大切な健康を害したすっとこどっこいは」
「どこの」
「どなたです?」
上記のセリフはすべて玲琳(体は慧月)のもの。
一言一言区切ってゆっくり聞く感じがとても怖かったです。
メンタル様、相当お怒りでらっしゃいます。「MajiでButiキレる5秒前」とか、昔流行った広末涼子の曲名にかこつけて小見出し書きましたが、5秒前っていうかもうすでにブチ切れてらっしゃいます。
感想
今回感想として語りたいのは以下の点!
✓玲琳ブチ切れ報復キタコレ
主人公が関わるとどんなシリアスシーンでもギャグになる件
今回のシリアスシーンと言えば、莉莉が玲琳(体は慧月)に刃物で襲いかかるシーン。そこで玲琳(体は慧月)が莉莉に斬りつけられたのをギリギリでよけるんだけど、髪の毛が一房切られちゃうの。
そこで玲琳(体は慧月)が思ったことは、「ああっ慧月様ごめんなさい!」「あっでもここ枝毛の多かった箇所…」
いや枝毛ってw
他人から刃物で斬りつけられているという危機的状況で、髪の毛切られて枝毛のこと気にしてられるってどんなメンタルだよw鋼メンタルにもほどがあるよww
って笑ってたんですけど、以前、『ONEPIECE』作者の尾田栄一郎氏が、ONEPIECE単行本の中で「前に車にひかれた瞬間に思ったのが『あ、今日レンタルビデオ返却日だ』。人間って結構冷静だ」って書いてたことがあったので、危機的状況だと冷静になるって人は一定数いるのかもね。
そして今巻で一番笑ったのは、朝ごはんの献立を紹介する玲琳(体は慧月)と莉莉のかけあい。
「今日の献立は
主食にふかし芋
主菜に揚げ芋
副菜に芋の油炒め
箸休めに揚げ芋ですよ」
「とても箸が休めない!全部重い!全部芋!」
という莉莉のツッコミww
箸が休めない箸休めww
玲琳ブチ切れ報復キタコレ
いやさ、莉莉が雅容にもらったもの全部返そうって決意してたけどさ、これ莉莉1人で返しに行ったところで絶対ロクなことないじゃん?最悪、その場で鷲官呼ばれて莉莉が捕まる可能性もあるじゃん?
だから莉莉が返しにいくって決めたときは「え、なにこれ莉莉が捕まるフラグ?やめてやめて」って思ってたよ。ところがどっこい、玲琳(体は慧月)の報復キタコレ!
雅容ザマァ!首洗って待ってろコンニャロ!ってな気持ちでね、もう次回が楽しみでなりません。
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